命懸けで殺したい人はいますか?
お久しぶりです、川島はなぢです。
突然ですが、みなさんは命懸けで殺したい人、いますか?
人を殺したいと思ったことはありますか?
今回紹介する小説は、未来の日本が舞台です。
未来の日本では、10人産んだら1人殺せる「殺人出産システム」で人口を保っていて、主人公育子の姉の10人目の出産が近づき…
という話です!
こんな人に読んでほしい
- 社会や常識について考えさせられたい人
- 命や、善悪について考えさせられたい人
- 結婚や出産について関心がある人
「コンビニ人間」で芥川賞を受賞した、村田沙耶香さんの作品です。
「コンビニ人間」も個性的な主人公を通して普通とはなにかを痛烈に問う作品でしたが、
殺人出産システムという設定もエグいですね…
主人公育子の姉が10人目の出産を終えて合法的に人を殺す権利を得た時、誰を選ぶのかが最大の見所です。エグいですよ。
今から百年前、殺人は悪だった
昔の人々は恋愛をして結婚をしてセックスをして子供を産んでいたという。
など、世界観が作り込まれていてどんどん引き込まれて行きます。
とても印象に残った言葉を最後に紹介します。
あなたが信じる世界を信じたいなら、あなたが信じない世界を信じている人間を許すしかない。
大きな時の中で世界はグラデーションしていて、対極に思えても二つの色彩は繋がってる。だから、今立っている世界の「正常」が一瞬の蜃気楼に感じるんです。
多様性が叫ばれる現代を生きる僕達にとって、一度読んでみる価値のある作品ではないでしょうか。
最後まで読んでくれてありがとうございます。