太宰治|人間失格 を読んでほしい理由
どうも、川島はなぢです。
今回は初めて、文豪と呼ばれる作家の名作について書きます。
名作なので、どんな観点で書くのか迷いましたが、
まだ読んだことのない人におすすめするというスタンスでいきます。
忘れも、しません、むし暑い夏の夜でした。
この、「忘れも」と「しません」の間に読点を打てる作家は太宰しかいない!
とかいう評論は他の人に任せます(笑)
前回、社会に対して逆ギレしたいときにオススメの曲を紹介しましたが、
社会に対して逆ギレしたいときにオススメの曲があります - 感動のおすそわけ
今回の内容もそれに通じる所があります。
こんな人に読んでほしいっ!
- 周囲と自分の違いに悩んだことがある人
- その悩みの末に、自分を貫いていて、しんどい人
- その悩みの末に、周りに合わせて、疲れた人
- 働くのがめんどくさい人
- 他人が何を考えているのかわからない!ってなる人
- なんて喋れば正解なんだよ!って思ったことがある人
- 人と言い争うのが苦手な人
つまりはもう、
人間関係に悩めるすべての人に読んでほしい!
人間失格は、
みんなが目を背けたり我慢したりしているうちに感じなくなってしまったことを、
真っ向からとらえた小説です。
あるいはそれから目を背けずに自分の人生と真剣に向き合っている人にとっては、
かゆいけど手の届かない所に手を届かせてくれる作品です。
生きるのが辛い。しんどい。疲れた。
みなさんはそう感じたことが一度でもあるでしょうか。
そしてそれを口に出して、
友達から、苦笑いされたり、「病んでるね」で片付けられたり、ポエマーなんて言われたりした経験、一度でもあるでしょうか。
僕はあります、数えきれないほど(笑)
誰もが感じていることなのに、
口に出すと、ヘタレ扱いをされたりする
だから、だんだん口に出さなくなる。
口に出すのを我慢しているうちに、辛さに順応して、生きるのが辛いなどと感じなくなる。
たまに感じても、我慢できるようになる。
そうやって心の物差しを上手く変形させていって、集団に、社会に、馴染んでいくのが大人だとするならば、
大人になりきれない主人公を描いたのが、この人間失格です。
大人になる とは、なにかを諦めていくことなのでしょうか。
自分はこう思う!
でも、どうやらこの集団の中ではそれじゃダメらしい。
となったとき、諦めてその集団の常識に染まるのが「大人」なのなら、
「大人になる」とは、そんなに素敵なことなのでしょうか
「大人になる」とは、仮面をかぶることなのでしょうか
でも、そもそも仮面をかぶっていない人間なんていないのかもしれません
それができない自分て、そんなにダメか?
これが、太宰治の一番言いたかったことなんじゃないかと、(異論もあると思いますが)僕は思います。
主人公の人生は、(拡張気味な部分もあるとはいえ)太宰の人生をそのまま作品にしたような人生です。
そしてこの作品を完成させた直後、太宰は自らの命を絶ちました。
遺書のような位置付けであることが、説得力を増すのかもしれませんね。
人間は、めしを食べなければ死ぬから、そのために働いて、飯を食べなければならぬ。という言葉ほど自分にとって難解で晦渋で、そうして脅迫めいた響きを感じさせる言葉は、なかったのです。
— 川島はなぢ (@mrHbpnl7Fmhrim5) 2017年10月6日
これを堂々と言える太宰治が好きだ…#太宰治#読書好きと繋がりたい #読書の秋
生きるのがつらいのは、
それだけ真剣だからです。
でも、つらいと言いにくい世の中です。
矛盾だらけの社会に自分を適合させていかなければならないのが、しんどくなったとき、ぜひ人間失格を手にとってみてください。
自分より病んでる主人公を見て安心しよう などと言っているわけではありません。
主人公が、なににどう悩んでいるのかを見てほしいです。
仮面をかぶって上手く人と付き合って仕事も恋愛もして賢く生きていかなければならない(と思い込まされている)現代の僕たちにも、刺さる言葉が必ずあります。
最後に文中の言葉をいくつか紹介させてください。
自分の幸福の観念と、世のすべての人の幸福の観念とが、まるで食いちがっているような不安
教室も寮も、ゆがめられた性慾の、はきだめみたいな気さえして
世間とは、いったい何の事でしょう。人間の複数でしょうか。どこに、その世間というものの実体があるのでしょう。
(それは世間が許さない)
(世間じゃない。あなたが許さないのでしょう?)
僕とこの小説の出会いはTSUTAYAでなんとなく手に取っただけでしたが、この小説に出会って救われました。
(個人的には弱さをさらけ出したような作品は好きなので、必然的な出会いだったかもしれません)(なので音楽は、amazarashiなんかが好きです)
この小説が、出会うべき人の所に、届きますように。
そしてこのブログで、ほんの少しでもその役にたてれば、嬉しいです。
最後まで読んでくれて、ありがとう。